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コラム

グリシナクリニック湘南台の管理栄養士に聞く~太りにくい食べ方~

栄養

~食べ方を変えるだけで肥満になりづらい?~


現代社会では、食生活やライフスタイルの変化によって、太ってしまうリスクが高まる可能性があります。
そこで、今回は太りにくい食べ方について、当院管理栄養士からいくつかのポイントをお伝えさせて頂きます。

1. よく噛んで食べる

**噛むことの効果**


「噛む」という行為は、単なる食事の動作の一部ではなく、以下のような効果があると言われています。

①満腹中枢の刺激

よく噛むことによって、満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防ぐことができます。
しかし、満腹感を感じ始めるのは食事開始から約20分後と言われています。
厚生労働省からも一口30回以上よく噛んで食べることが推奨されていますが、あくまでも30回は目安であり、
回数にとらわれてしまうと食事を楽しむことができなくなることと思います。食事を楽しみながらもよく噛む意識をしてみましょう。

② 消化促進

よく噛むことで、食べ物が細かくなり、唾液の分泌も促進されます。
これによって消化酵素が効果的に働き、消化をサポートしてくれ、栄養素の吸収を促進することに繋がります。
さらに消化を助けることで胃腸の負担も軽減します。 また、唾液は口の中を清潔に保ち、むし歯や歯周病予防にもつながります。

③ 食事の時間が延びて満足感が増す

よく噛むことで、自然と食事の時間が長くなります。
食事をゆっくりと取ることで、心も満たされ、無駄な間食を防ぐことにも繋がるのです。
また、テレビやスマートフォンを見ながらの「ながら食べ」は食べることへの意識が低下するため、ながら食べは避けて食事に集中することが推奨されます。

具体的に噛む回数を増やす方法をいくつか紹介します。

まず、調理の過程です。食材をあえて大きめに切って調理したり、硬さの異なる食材を組み合わせて調理することで、噛む回数を増やすことにつながります。
次に食事中では、一口ごとにお箸を置く、食べ物の形がなくなるまでよく噛む、飲み込もうと思ってからもう少し噛む、などを意識することで、
普段の食事量でも味を楽しみながら食事を進めることができ、よく噛んで食べることを習慣化することができます。

2. バランスの良い3食

①朝食の重要性

1日3食を規則正しく摂ることは、1日2食や1食で1日に食べる量が同じでも食後の血糖値が高くなりやすいと言われています。
また、朝食を食べることで体内時計は代謝を始め、体温を上げて1日の体のリズムを作り出します。
そのため、朝食を抜くと体温が高くなる時間が短くなり、エネルギー消費量が抑えられると言われています。必ず朝食はとるようにしましょう。

②夕食の時間

遅い時間に食事を摂ると、脂肪として蓄積されやすくなります。理想的には、寝る2〜3時間前までには食事を済ませるようにしましょう。
食後に起きている時間が短いと熱産生が減ってしまい、エネルギー消費が減少すると言われています。
また、寝る前に食べると血糖値を下げるインスリンの働きも低下し、肥満につながってしまいます。
夕食はできるだけ21時までには食べ終え、寝る前に食事を摂らないことが重要です。夕食後お腹が空きそうになったら、夕食後に歯を磨いてしまい、
その後食べることを防ぐのも効果的です。

③バランスの良い食事

1食の中に主食、主菜、副菜を揃え、炭水化物、タンパク質、脂質からなる三大栄養素と、
三大栄養素の働きをサポートするビタミン、ミネラルを含めた五大栄養素に加えて食物繊維もバランスよく摂取しましょう。
それぞれをただたくさん摂ることが良いわけではなく、「適量を摂取する」ということを心がけましょう。

バランスの良い食事を考える時の案を紹介します。

①和食献立【一汁三菜】  
主食(ご飯)、主菜(肉や魚)、副菜2品(野菜やきのこ、海藻など)、汁物(塩分の摂りすぎに注意して1日1~2回程度)を旬の食材を用いたり、
出汁を生かした味付けなどでバランスの良い食事に

②食品群【赤、黄、緑】  
小学生の時に習った方も多いかと思いますが、
身体を作るもとになる赤(肉、魚、豆、乳製品、卵)、 熱や力になる黄(穀類、砂糖、油、芋類)、 体の調子を整える緑(野菜、海藻、きのこ)、
それぞれのグループから偏りがないように選ぶことでバランスの良い食事になります。
また上記の3色食品群をさらに細かく分けた6つの基礎食品群も同様に使うことができます。

まとめ


太りにくい食べ方を実践するために、「よく噛む」「バランスの良い食事」「規則正しく3食をとる」を意識しましょう。
これらのポイントを心掛けることで、健康的に無理のない体重管理に繋がります。
日々の食事が習慣となっていきますが、少しの工夫を積み重ねていくことで大きな成果となります。ぜひ、取り入れてみてください。

参考文献

農林水産省-栄養素と食事バランスガイドの関係-
農林水産省-ゆっくりよく噛んで食べていますか?-
坂根直樹、無理をしなくても内臓脂肪がみるみる落ちる食べ方大全、文響社、2022