じっとしていてもカロリーは消費している。基礎代謝量について
基礎代謝量について
基礎代謝量とは?
基礎代謝量とは、私たちの体が生きていくために必要最低限のエネルギー量(≒カロリー)のことを指します。つまり、生命活動を維持するために必要なカロリーです。言い方を変えると、身体を動かすことなく勝手にカロリーを消費してくれます。そのため、基礎代謝量と同じ量のカロリーを摂取であれば理論上体重は変化しないことになります。この基礎代謝量は個人差が大きく、年齢、性別、身長、体重などの要因によって異なります。
基礎代謝量は、主に以下の要因によって決まります。
筋肉量
筋肉は脂肪よりもエネルギーを多く消費するため、筋肉量が多いほど基礎代謝量が高くなります。
年齢
加齢とともに筋肉量が減少し、基礎代謝量が低下します。
性別
男性は女性よりも筋肉量が多いため、基礎代謝量が高い傾向にあります。
体表面積
体表面積が大きいほど、体温を維持するためのエネルギーが必要になるため、基礎代謝量が高くなります。
基礎代謝量は体質に影響する?
基礎代謝量が高い場合、消費カロリーが多いため、太りにくい体質だと言えます。食べても太らない人は、基礎代謝量が高い可能性があります。一方、基礎代謝量が低い場合は、消費カロリーが少ないため、太りやすい体質だと言えます。少し食べただけでも太ってしまう人は、基礎代謝量が低い可能性があります。
基礎代謝量が高いと、以下のようなメリットがあります。
- 太りにくい体質になる
- そこまで食事制限をしなくても体重が維持しやすい
- 代謝が活発になり、体調が良くなる
一方、基礎代謝量が低いと、以下のようなデメリットがあります:
- 太りやすい体質になる
- ある程度の食事制限をしないと体重が増加しやすい
- 代謝が低下し、体調が悪くなりやすい
基礎代謝量はどのくらいか?
体格などによって同じ体重でも基礎代謝量は異なりますが、一般的な50kgの成人男性の場合、基礎代謝量は約1,400kcal/日程度です。この値は、年齢とともに減少していきます。また、女性の場合は男性よりも基礎代謝量が低く、同じ50kgの成人女性の場合、約1,200kcal/日程度です。
基礎代謝量以外でカロリーを消費するには?
基礎代謝量以外に身体活動量というものがあります。身体活動量は、日常生活における身体活動によるエネルギー消費量のことを指します。例えば、歩行、階段の上り下り、家事、運動などがこれに当たります。この身体活動量は、個人の生活スタイルによって大きく異なります。そのため1日の消費カロリーは、基礎代謝量と身体活動量によって決まります。身体活動量は身体活動レベルで決まる活動係数として計算されます。
働いている人における活動係数は、主に3つになります。
低い(1.5):デスクワークが中心の生活で、あまり体を動かさない人
普通(1.7):デスクワークと軽い運動を併用している人
高い(2.0):肉体労働や激しい運動を日常的に行っている人
総消費カロリーは、基礎代謝量に身体活動レベル(活動係数)を掛けて算出します。例えば、基礎代謝量が1,400kcalで、身体活動レベルが普通(1.7)の場合、総消費カロリーは1,400×1.7=2,380kcalになります。
基礎代謝量を上げるためには
基礎代謝量を上げるためには、筋肉量を増やすことが効果的です。筋肉は、脂肪と比べてエネルギーを多く消費するため、筋肉量が多いほど基礎代謝量が高くなります。筋肉量を増やすためには、筋力トレーニングが有効です。また、睡眠も基礎代謝量に影響します。睡眠不足は、基礎代謝量を低下させてしまうので、十分な睡眠をとることが大切です。
当院では基礎代謝量の測定が可能!
当院では、InBodyを使用して基礎代謝量の測定を行っております。InBodyは、体組成(体脂肪率、筋肉量など)を測定する機器で、基礎代謝量も算出することができます。
測定結果をもとに、適切な食事量や運動量をアドバイスいたします。基礎代謝量を知ることは、健康管理や体重管理において非常に重要です。自分の基礎代謝量を把握し、生活習慣を見直すことで、健康的な体を維持することができます。 ぜひ、この機会に測定を受けてみてください。
【参考文献】
・Müller, MJ, et al. Functional body composition: insights into the regulation of energy metabolism and some clinical applications. European Journal of Clinical Nutrition.2009; 63(9), 1045-1056.
・Henry, CJK. Basal metabolic rate studies in humans: measurement and development of new equations. Public Health Nutrition. 2005;8(7A), 1133-1152.
・Westerterp, KR. Physical activity and physical activity induced energy expenditure in humans: measurement, determinants, and effects. Frontiers in Physiology. 2013; 4, 90.